2016年12月17日土曜日

神戸新聞に当院の乾癬外来が紹介されました。

本日2016年12月17日(土)の神戸新聞の「くらし(18面)」に今井がやっております、乾癬外来が紹介されております。治らなかった疾患が治るように医学が進化すると、やはり注目のトピックスとなるのだと思います。・・・乾癬外来の隣にある、もやもや病の記事のほうが気になる気もしますが・・・神戸新聞を購読中の方は、ぜひチェックしてみてください。

・・・話は変わりますが、こういうローカルな新聞のほうが、読んで面白いですよ(その地域に住んでいるなら、ですが・・・)。アメリカ留学中に気がついたのですが、日本は大手の新聞(全国版)がシェアが高いのに対して、アメリカではその地域の新聞しかみんな読まないし、Webもヤフーではなく、その地域の新聞社のWebサイトを毎日みんなチェックしていたことを思い出しました。

2016年12月6日火曜日

患者さん最優先の考え方

乾癬外来の今井です。
今回は乾癬に関する雑談です。

東京の先生方とお話する機会があったのですが、かなり、乾癬の治療は患者さんに希望によるなぁ・・・というお話です。


現状の尋常性乾癬の治療は

1)バイオ製剤(生物学的製剤)で、ほぼ皮膚炎が無い状態にできるようになった。

というのは、もはや当たり前で、軟膏だけで頑張るには限界があると言うことです。今まで完全に綺麗にするのが難しかったのが、皮膚炎をゼロにするのが無茶な目標ではなくなりました。医学が進歩したということで、尋常性乾癬の治療としてのバイオ製剤は、もう特殊なものでは無くなりました。ところが・・・

2)バイオ製剤(生物学的製剤)は、保険が効くけど、それでも値段が高い。

という問題点がございます。保険適応なので、自由診療の美容皮膚科ほど高くないですが、いずれにせよ保険適応なので、日本の医療制度により、所得に応じた値段になります(所得が高い方は高い負担金額、所得が低い方は低い自己負担)
さて、ここで、意識の差というか、希望の差とうか、結局、どれだけ皮膚炎の治療にお金をかけるのか?どれだけ治したいのか?という問題が出てきてしまいます。

東京の先生方の治療を見ていると、けっこう軽症の乾癬患者さんにもバイオ製剤を使用しているなぁ・・・という印象が強いです。これ、外用剤だけで十分OKなんじゃないかと思ってしまうわけです。乾癬は、新型の外用剤が2剤も発売になり、昔より塗り薬も良くなりましたし。。。。でもこれは、最近、「どうしても乾癬を完全に綺麗にしたい。」という治療意欲がとっても高い、若い患者さんをたくさん診察させていただいていて、東京の乾癬の有名な先生方が当院の5倍以上のバイオ製剤を処方していらっしゃる理由がやっと、分かってきました。地域差かもしれませんが、要するに、乾癬の皮膚炎を完全に綺麗にしたいと考えている患者さんが多い地域では、バイオ製剤の使用が多くなっているようです。

結局、医者というのは患者さんが教科書で患者さんから学んでいるにすぎないわけですが、同じような見た目の皮膚炎レベルの乾癬患者さんであっても

・ある乾癬患者さんは、軟膏で痒みが無くなれば、皮膚炎が残っていても満足!
→値段の安い軟膏でOK

・別の乾癬患者さんは、皮膚炎が完全にゼロになってほしい!
→値段が高いけどバイオ製剤で皮膚炎ゼロを目指す

となって、異なった治療方針となることが、けっこうあります。そして、癌の治療とは違って、こういうことがあっても、別にOKだと思うのです。そういうことで、皮膚炎の重症度よりも、患者さんがどれだけ治したいか?が重要だと思っている次第です。ところが、日本人はあまりこういう希望を言わないので、当院では問診票を作成し、どれだけ皮膚炎で困っているのかアンケートに答えていただくようにしおります。。。

ただ、中には完全に綺麗にしたいのに、ずっと昔から同じ外用剤(軟膏)だけで治療をしている患者さんも多くて、このような新しい治療法を知らなかった、たまたま行った内科で当院を教えてもらった、という患者さんも多いですね。昔から同じクリニックに20年通院中、といった患者さんでよくあるパターンです。昔と違って治るようになったわけですが、患者さんは知りようがないです。普通のクリニックでは、まだバイオ製剤は使用できないので、この治療の提案も無いはずなので。。。。

ということで、乾癬外来では、患者さんとよくお話して、相談の上、治療方針を決定することにしております。あくまで患者さんの希望が最優先だと考えております。