2017年12月26日火曜日

特集「アトピー性皮膚炎の新時代」の一部を執筆担当しました


Visual Dermatology Vol.17 No.1

におきまして、京都大学教授椛島先生が編集された特集アトピー性皮膚炎の新時代」に、今井も「アレルギーマーチ」というタイトルで執筆させていただきました。アトピー診療は今まさに、大きく変化しようとしています。来年は、アトピー性皮膚炎の新しい薬の発売(保険適用予定)や、さらに新しい製剤の治験開始も予定されており、その新時代の流れを網羅した(私の原稿以外は)素晴らしい内容の1冊になっていると思います。薬の作用機序はどれも新しく、免疫学的な機序のものが多いので、専門が免疫学である私はとても期待していますし、興味深いのは、その新薬を自身がアトピー性皮膚炎である複数の医師がぜひ自分に打ちたいと言っていることです。作用機序を考えると、なるほどと思いますので、あまり免疫学に興味のない先生はぜひご覧ください(商業誌なので、平易な用語で最新情報が説明されています)。




2017年11月28日火曜日

12月の今井の講演予定

12月は伝統ある学会において学会発表・講演する機会を2回も頂いております😀

貴重な講演の機会を与えていただきました関係者の皆様に深謝いたします。
ただ、医局員の多くが風邪をひいている気がするので、体調に注意したいと思います。


2017年12月3日(日)9:30〜 
「乾癬の基礎免疫学 ~免疫チェックポイント阻害剤と乾癬~」
日本皮膚科学会第221回熊本地方会
くまもと森都心プラザ(熊本)


2017年12月17日(日)9:30〜 
Depletion of basophils alleviates ILC2-dependent atopic dermatitis-like inflammation in mice overexpressing interleukin-33 in the skin
The 42th Annual Meeting of the Japanese Society for Investigative Dermatology
Kochi city culture plaza Culport (高知)
※Plenary
※英語です

2017年11月7日火曜日

今井が共著(2nd)の乾癬の治療に関する論文が米国科学アカデミー紀要に掲載されました










今井が共著の乾癬の論文が、米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America、略称:PNAS)電子版に本日掲載されました。

内容は、ケモカインを阻害するという発想でも乾癬が治せるのではないか?
というものです。今井がアメリカ留学中(もう2年経ちます)に行った研究を、最後まで完成に持って行ってくれたアメリカの先生方に感謝しております。

原文はこちら:
http://www.pnas.org/content/early/2017/10/31/1704958114.abstract?sid=bfe5fea9-eecf-4b26-9a74-1048c5361dfa

2017年10月21日土曜日

アトピー性皮膚炎の新規治療薬の治験をしています

たいへん名誉なことに、アトピー性皮膚炎治療研究会第23回シンポジウム(来年ですが)で、今井がアトピー性皮膚炎の最新の治療について講演させていただける予定となりました。・・・みんな、このブログが乾癬外来のブログだと思っているのですが、このブログは乾癬・アトピー外来のブログです!

アトピー性皮膚炎の機序が徐々に解明されつつあり、簡単に書くとIL-33やTSLPといった上流のサイトカインがリンパ球を活性化して、IL-4、IL-13、IL-31といったサイトカインを産生させることでアトピー性皮膚炎を引き起こしていることが判明してきました。このようなアトピー性皮膚炎の研究では、私たち兵庫医科大学皮膚科もIL-33がアトピー性皮膚炎を引き起こすことができるという研究 (Imai Y, PNAS, 2013) を行っております。このようにアトピー性皮膚炎の原因となるサイトカインが判明してきたことや、皮膚科領域では乾癬に対してサイトカインに対する抗体製剤(バイオ製剤)がきわめて有用であることから、アトピー性皮膚炎においても、上記のようなサイトカインに対する抗体が有用であることが想像されます。実際、治験登録サイト(ClinicalTrials.gov)を見ると、実に様々なバイオ製剤が既に治験に入っていることがわかります。ぱっと目につくものだけでも、こんなにあります。あと1−2年で、アトピー性皮膚炎の治療はまったく異なる新時代へ移行するのかもしれません。


機序
一般名
経路
進捗
コード
製薬会社名
IL-4/13受容体抗体
Dupilumab
注射
FDA認証
SAR231893
サノフィ
IL-13抗体
Tralokinumab 
注射
CAT354
アストラゼネカ・LEO
IL-31受容体抗体
Nemolizumab
注射
CIM331
中外
IL-33抗体
未定
注射
ANB020
AnaptysBio
TSLP抗体
tezepelumab
注射
AMG157
アムジェン



ちなみに、当院ならびに関連病院の明和病院で、アトピー性皮膚炎の新薬(現在当院でやっているのは 上記のうちトラロキヌマブになります)の治験を実はまだ受付中ですので、難治性の18歳以上の若いアトピー性皮膚炎(慢性湿疹ではなく、pureなアトピー性皮膚炎の患者さんでお願いします)の患者さんでお困りの先生は、ご紹介のほど、よろしくお願い申し上げる次第です。この治験は患者さんの集まりが良好なため、早期終了の予定ですが、まだエントリー可能です。



2017年10月10日火曜日

中部総会に参加しました

第68回日本皮膚科学会中部支部学術大会に参加してきました。

 開業皮膚科医向けの講習会という意味合いも兼ねた学会ですし、ほとんど知っている話ばかりだったのですが、知識の再認識ができました。また、私が留学中にアメリカで研究していたのは免疫チェックポイント阻害剤だったのですが、組み合わせの問題で、オプジーボではなくキイトルーダが肺がん領域では第一選択となりつつあるそうですが(他科領域は勉強しに行かないと知識が増えません)、当科でも悪性黒色腫に対して、キイトルーダの投与に対応しています。

 また、点眼剤の接触皮膚炎の学会発表を行いました。アレルギーの原因は様々で、点眼薬で主成分ではなく防腐剤による接触皮膚炎が多いのですが、しっかりパッチテストを行うと、防腐剤ではなく主成分が原因であることが判明し、患者さんは防腐剤入りの点眼薬も継続使用が可能でしたので、何気ないパッチテストですが、患者さんのお役に立てたかなと考えています。

2017年10月2日月曜日

第6回日本眼科アレルギー講習会に参加してきました

今井です。
東京・品川で開催された第6回日本眼科アレルギー講習会に参加してきました。

乾癬はバイオ抗体製剤で皮膚炎がほぼ無い状態にすることも可能となってきましたが、アトピーでは開発が遅れておりました。
現在ではアトピー性皮膚炎はIL-4やIL-13といったサイトカインの疾患への関与が明らかとなり、やっとヒトに応用されつつあり、皮膚科ではアトピーに関してこれらのサイトカインを標的としたバイオ抗体製剤を用いた新規治療法の治験が進行中です(当院でも、重症のアトピー性皮膚炎の患者さんは治験へのエントリーが可能です)。

さて、これらのアトピー性皮膚炎関連サイトカインは、アレルギー性結膜炎やアトピー性角結膜炎でも同様なのでしょうか?私たちは、当院眼科などとの共同研究で自然リンパ球やIL-33が、(アトピー性皮膚炎だけでなく)アトピー性角結膜炎などの眼科アレルギー疾患にも関与することを示しています(Scientific Reports 7, Article number: 10053)。この第6回日本眼科アレルギー講習会では順天堂大学の浅田先生が、マウスの実験系で、IL-25ノックアウトマウスやTSLPノックアウトマウスでは結膜炎が発症したがIL-33KOマウスでは結膜炎が有意に抑制されたという分かりやすいconvincingな御講演をされており(論文にももうなっているそうです)、皮膚科領域だけではなく、眼科領域においてもIL-33などの炎症性サイトカインが誘導するIL-4やIL-13といったサイトカインがアトピーに関与していることが確実になってきていると感じました。今まで治らなかった疾患が治るようになるという大きな変化が、もうすぐアトピー性皮膚炎にもやってくるかもしれません。最短でも4−5年後かとは思われますが・・・・

2017年9月9日土曜日

日本乾癬学会で講演を行いました

第32回日本乾癬学会に参加しました。
先生方、スタッフの方々、皆様お疲れ様でした。
また、土曜日の乾癬外来を休診にして乾癬学会に参加するという事態になってしまったので、患者さんにはご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。

なぜか担当スタッフの方から「ミヤネ屋で、アンジェリカさんの乾癬カミングアウトの回に出演していた先生ですか??」といきなりつっこまれ、そういえば、あの番組は関西ローカルではなく東京でむしろ視聴率が高いことを思い出しました(笑)

年に1回の、乾癬の最新情報が日本語で入手できる学会ですから、論文にまだなっていない情報を中心に、いろいろ勉強になりました。私が医者になったころは、ちっとも治らなかった乾癬ですが、いまや皮疹をゼロにするのも夢ではない(ただし薬剤費は高いし副作用にも注意が必要)という時代で、5年前とまったく違ったく違う治療に進歩したことを実感しました。

また、この学会で、今井は、研究発表分野の演題の座長と、イブニングセミナーの講師を担当させていただきました。そのセミナーでは、30分、乾癬の外用剤のお話をさせていいただきました(膿疱性乾癬ガイドラインでも、主に外用剤関連部分を今井が担当しております)。サプリメントなどでビタミンDを取っている場合、かえって副作用が生じるリスクが上がることなどもお話させていただきました。また、兵庫医大としては、当科の和田と、一緒に乾癬外来を担当している山本が、膿疱性乾癬という最重症の乾癬に関しての発表を行いました。

今後も、特に膿疱性乾癬などの重症な乾癬について、当科では今後も重点的にフォローアップしていく予定です。


2017年9月5日火曜日

今井のアトピーに関する論文がサイエンティフィック・リポーツに掲載されました

今井の、自然リンパ球とアトピーに関する論文が、英ネイチャーパブリッシンググループの科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されました。小さなラボでも、しっかりした国際雑誌に掲載するところまで持ってこれたのは、私一人の力ではなく、協力してくださった皆様のおかげです。感謝申し上げます。






概要

眼科学 細谷 友雅 先生のと共同実験で、結膜・角膜上皮のインターロイキン33(IL-33)が過剰な状態になると眼に常在する2型自然リンパ球が活性化され、アトピー性角結膜炎が発症することを遺伝子改変マウスを用いて証明しました。本研究によってアトピー性角結膜炎の病態の一端が解明され、新しい治療法の開発に大きな貢献が期待できます。なお、この研究は、本学免疫学(善本知広主任教授)、京都府立医科大学感覚器未来医療学(中村隆宏准教授)との共同研究です。2017年8月30日英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」の電子版に掲載されました。


研究の背景

アトピー性角結膜炎は、顔面のアトピー性皮膚炎に合併して生じ、角結膜への好酸球浸潤を伴って角膜障害や視力障害を生じる重篤な難治性の疾患です。アトピー性角結膜炎の患者さんの結膜の病変ではIL-33が強く発現していることは分かっていましたが、アトピー性角結膜炎の発症機序は全く不明のままでした。

研究手法と成果

研究グループでは、皮膚でIL-33を多く発現しアトピー性皮膚炎を自然発症する遺伝子改変マウスを作成して観察を続けていたところ、8〜10週齢頃から結膜炎が発症し、20週齢以降には角膜潰瘍を伴った重篤な角膜炎が生じることに気づきました。病変部では結膜・角膜上皮の肥厚、肥満細胞、好酸球・好塩基球などの炎症細胞の浸潤、涙液中にはIL-5、IL-13、IL-33等の炎症性サイトカインの増加がみられ、免疫学的特徴がヒトのアトピー性角結膜炎に極めて類似していました。また、正常マウスの眼組織にIL-33に反応する2型自然リンパ球が常在していることを発見し、この遺伝子改変マウスの角結膜では2型自然リンパ球が増加すること、そして、この細胞がIL-5とIL-13を産生することをつきとめました。以上より、アトピー性角結膜炎の病態として、さまざまな刺激で眼上皮から遊離されるIL-33が角結膜に常在する2型自然リンパ球を活性化し、IL-5、IL-13などの炎症性サイトカインが産生される結果、アトピー性角結膜炎が発症するというメカニズムを世界に先駆けて提唱しました。


原論文のリンク

2017年7月28日金曜日

パソコンからスマホの時代へ

どうでもいい雑談記事なので、ラベルなしです。

このブログと兵庫医大皮膚科のページでは、見てくださっている方が、パソコンからのアクセスなのか、スマホからのアクセスなのか、Googleが勝手に統計を取ってくれるわけなのですが・・・・

スマホからのアクセスが、2年前とまったく違う!!



 このブログのアクセス解析(本日)


ご覧の通り、既にスマホからのアクセスが過半数となって、パソコンが過半数だった2年前(サイト開設時)から逆転しています。パソコンは、もはや25%程度しかありません。このブログは一応、スマホとパソコンでは違う画面が表示される仕様ですが、兵庫医大皮膚科の公式ページのほうは、昔ながらのパソコン用Webサイトのままで、スマホだとかなり見にくいですね。。。。一般的に患者さんは高齢者が多いので、スマホよりもパソコンのほうに対応させるのが良いとされていたのですが、皮膚科では、特に乾癬やアトピーで情報を探しているのは若い患者さんが多いせいか、もはやスマホの報が多いとの結果で驚きでした。これは、兵庫医大皮膚科公式のページもスマホ対応にした方が良いと思った今回の統計でした。ただ、いつになるか、わかりませんが。

 そういえば、皮膚科にまわってくる若い研修医も、外来で調べ物をスマホでしています。パソコンしか使えない世代は既に時代遅れなのでしょうか?私も実はスマホはあまり使いこなせていませんが、例えばメールやLINEは音声入力でほとんど入力しており、パソコンとはまた違った便利さがあるわけで、今後モバイル端末を、どう医療に生かすかも、様々な研究があるようです。兵庫医大でも看護師さんが手軽に経過写真を撮影したりしています(ただし専用のモバイル端末です)が、皮膚科外来の写真撮影はパソコンに手動で取り込みなので、医師向け端末のほうが遅れている気も・・・。





2017年7月15日土曜日

薬剤師さん向けに講演を行いました

 7/13(木)に、兵庫県の薬剤師さん向けに、乾癬の基礎的な内容の講演をさせていただきました。座長・世話人の松川先生、誠にありがとうございました。
 
 乾癬の治療薬は注射(バイオ製剤)のように超強力なものもあれば、「オテズラ錠」のように徐々に効いてくる(この薬は効果に個人差が大きいですが・・・)ものがあります。注射の薬のように副作用管理が必須で、定期的に採血が必須というものもあれば、乾癬の新薬の一つである「オテズラ錠」のように、副作用管理のための採血が不要というものもあります。で、なぜ薬剤師会での講演かというと、このオテズラ錠はちょっと飲み始めの時に特殊な飲み方が必要で、具体的には毎日増量していくような開始方法なんですね。なので、薬剤師の先生にしっかり患者さんに指導してもらわないといけない、というわけなんです。
 乾癬は、この数年で注射も内服も、新薬ラッシュですっかり綺麗に改善できる疾患になったわけですが、どの製薬がよいかは、やはり一長一短ですので、患者さんと十分に相談して考えていきたいと思います。

2017年7月3日月曜日

乾癬で「道端アンジェリカさんと同じ薬でお願いします」について

ヤフーニュースのトップ記事に、再びモデルの道端アンジェリカさんが乾癬である話が登場して、このブログもアクセスが増えています。

道端さんが公開した、自身の乾癬皮疹(当然すっぴん)。インスタグラムより引用


当院の乾癬外来ですが、読売テレビ(ミヤネ屋)の道端アンジェリカさん出演の時に、乾癬に詳しい医師として出演させていただいてから、全国各地から患者さんが来院されるようになりました。なんでも、乾癬がほぼゼロになる可能性が高い、新しい薬があるらしい、と聞いたというわけです。しかし、その実態は・・・

(1) そもそも乾癬という診断が間違っている
(2) お住まいが遠すぎて、当院に継続通院ができそうにない

といったケースも、ございます。

確かに兵庫県の真ん中(日本海と瀬戸内海の中間くらい)にお住まいの方も数多く通院していらっしゃいますが、あまりに通院するのに遠い場合は、お住まいのお近くの病院を、ご紹介させていただくことがございます。あらかじめご了承くださいますよう、お願いいたします。

また、患者さんのリクエスト「道端アンジェリカさんと同じ薬でお願いします」についてですが、実は、特に高齢の患者さんの中には適さない方もいらっしゃいます。先に体質を検査してからになりますので、はじめて来院された当日にいきなり注射を開始することはできませんので、ご理解のほどお願い申し上げます。

道端アンジェリカさんが乾癬でどんな治療をしているかは、本人が公表していますので、詳しくはこちら。
(リンク先)ヤフーニュース:
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6245545
上記はリンクが数日で消えるので、その場合は元記事:
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/208368

2017年6月4日日曜日

平成29年度日本皮膚科学会総会に参加しました。


 ありがたいことに、平成29年度の日本皮膚科学会・基礎医学研究費を受賞しました。立派な受賞盾までいただいてしまいました。乾癬外来というイメージのブログになっておりますが、実はこのブログは開始最初から「乾癬とアトピー」のブログでございまして、受賞した研究内容はアトピー性皮膚炎の研究に関連するものであります。当皮膚科では乾癬だけではなく、アトピーの研究もさせていただいております。バリアが悪化してアトピーという話は分かりやすいと思うのですが、実はその逆もあって、どうもアトピーの炎症が起こると皮膚バリア機能が悪化するようで、その病態や関与する細胞を研究する予定です。
 免疫学の進歩により、今や「注射の薬」で乾癬はほとんど皮膚炎が無くなってしまうのですが、アトピー性皮膚炎の点滴の薬も、本学でもうすぐ治験を開始する予定です(あくまで予定なので、どうなるかは決まっておりません)。

2017年5月31日水曜日

5月31日は世界禁煙デー

最近、喫煙者はお断りというクリニックが東京では増えてきました。例えば

自由が丘整形外科
http://www.jseikei.com/
では、ホームページに

喫煙者は、初診時までに完全にタバコを止めておいてください。
と書いてあります。なんとびっくり。。ここのクリニックは出入りの業者さんも喫煙者だったら取引しない、その会社の薬は使わないといった徹底ぶりだそうです。

兵庫医大は建物内とその周囲はもちろん禁煙ですが、別に喫煙患者さんは診察拒否というわけではございませんので、ご安心ください・・・というか関西では喫煙者診療拒否クリニック、まだあまり無いと思います。飲食店も禁煙はまだ珍しいですね。しかし、これも時代の流れ。東京では次々と禁煙となり、関西でも徐々に広がっている気がします。東京によく学会出張に行きますが、やはり路上でタバコを吸っている人が(条例があることもあるが)関西と違って東京では、もはや、ほとんど見かけなくなりました。関西でもだんだんそうなってくるかもしれません。そして、近い将来、かなりのクリニックが喫煙患者さんは診察拒否という時代がもうすぐ来るかもしれません(??)

ちなみに、当外来でも、乾癬の患者さんには、一応、禁煙をお勧めしています。
以上、世界禁煙デーのお話でした。


2017年5月16日火曜日

読売テレビ「ミヤネ屋」に出演しました

モデル・道端アンジェリカ持病「乾癬」告白

乾癬外来担当医師の今井が、読売テレビ「ミヤネ屋」に出演しました(2017年5月16日(火)、日本テレビ系列)。モデルの道端アンジェリカさんが、が自身のインスタグラムで乾癬の自身の皮疹を公開したことから(写真は13日のインスタグラムより引用)、この病気、何?となったようです。
そこで、乾癬の解説をする医師として、出演させていただきました。

宮根誠司さん、林マオさんたちに囲まれながら、15分くらい、生放送に出演しました。とはいえ、一般的な番組ですので、当たり障りのない話を心がけました。生放送という部分で、とっても緊張しましたが、これはめったにないことだそうなのですが、なんと、宮根誠司さん本人が、わざわざ本番前にリハーサルをしてくださったので、どんな感じなのかが掴めて、とても助かりました。

ちなみに、番組で登場した道端アンジェリカさんが使っているという最新の注射薬(バイオ製剤)ですが、当院でも処方しております。

これをきっかけに、乾癬という病名が一般的にも認知され、乾癬は感染しない、という認識も一般的になってくれればと思います★

 なお、当院に受診するには紹介状と予約が必要です。先生方の診察していらっしゃる乾癬患者さんで、バイオ製剤の適応がありそうな患者さん・・・例えば若い女性で皮疹がひどい患者さん・・・がいらっしゃいましたら、ご紹介をよろしくお願い申し上げます。完全に皮疹をゼロにしたいと願っている患者さんの場合、バイオ製剤でないと難しいかもしれません。

当院の乾癬外来は今井と山本の2名の皮膚科専門医で担当しております。






🙂




2017年5月9日火曜日

第48回兵庫県臨床アレルギー研究会で講演します


平成29年5月13日(土)、神戸で講演します。兵庫県臨床アレルギー研究会の最初のレクチャーを担当させていただきます。タイトルは「IL-33とアトピー性疾患」ということで、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の最新治療や、今後日本で治験が始まるであろうアトピー性皮膚炎のバイオ製剤の治験について、基礎から臨床までお話させていただきます。

日本アレルギー学会会員の先生は2単位となりますので、ぜひお越しください。

ところで、このブログは乾癬外来のブログということになっていますが、実際には重症のアトピー性皮膚炎の患者さんもたくさんご紹介していただいております。特に自院でシクロスポリンの投与をされていないクリニックの先生から、アトピー患者さんをよく紹介していだたいております。重症なアトピー性皮膚炎の患者さんのご紹介もお待ちしております。

2017年5月4日木曜日

乾癬と免疫チェックポイント阻害剤に関する論文がサイエンティフィック・リポーツに掲載されました


今井が留学中の帰国直前の数ヶ月間にしていた乾癬に関する仕事の論文(共著)が、2年ごしで、ようやく、英国科学雑誌サイエンティフィック・リポーツに掲載されました。ちなみにVISTAという蛋白は、現在流行中の免疫チェックポイント蛋白の一つで、論文のlast authorのWang先生はVISTAの発見者です。既にVISTAに対する抗体はアメリカで固形癌に対する治療で治験に入っていますが、この理論だと、癌をやっつけるパワーはあるけども、当然ながら免疫が活性化して癌をやっつけるわけですから、副作用として乾癬などの皮膚炎やクローン病様の大腸炎が発症してしまうリスクは当然ある、ということになりそうです。

ちなみに、兵庫医大皮膚科でも、悪性腫瘍(メラノーマ)に対する抗PD-1抗体(オプジーボ、キイトルーダ、ヤーボイ)が使用できます。


論文へのリンク:Scientific RepoRts | 7: 1485 | DOI:10.1038/s41598-017-01411-1


アメリカ研究皮膚科学会で発表してきました

ちょうど2年ぶりにアメリカに行ってきました。
アトピー性皮膚炎やアトピー性疾患(アトピー性角結膜炎)とTh2サイトカインに関する研究を、アメリカ研究皮膚科学会(SID2017)で発表させていただきました。アトピー性疾患も今後は乾癬のようにサイトカインを阻害する抗体製剤(バイオ製剤)で的確な治療ができる時代が近いのではないかと思います。

会場はオレゴン州ポートランド。緑がいっぱいで、綺麗な所です。

写真はWillamette Riverで、この川のほとりに学会会場(オレゴン・コンベンションセンター)のがありました。ちなみに写真の橋は、アメリカによくある「可動式」の跳ね橋で、大型船が通る場合は上に跳ね上がります。




で、オチとしては、ちょうど私がアメリカ出張中に、阪神百貨店で「ポートランド・フェアー」をやっており、現地のお土産物屋と同じモノが梅田でも買えたらしいという(笑)

半年前に日本でお目にかかったところですが、Sam Hwang先生(カリフォルニア大学デービス校皮膚科主任教授)と再会することができ、また、2年ぶりに、私がアメリカ留学当時にfellowだったアメリカの先生たちと再会することができました。 










写真はポスター会場でWu先生と。私が留学中にお世話になった先生で、現在はカリフォルニア大学皮膚科で、私がアメリカ留学中にしていたPD-1などの免疫チェックポイントがトル様受容体刺激による免疫を活性化する(例えば乾癬が起きやすくなる)という研究の続きをやってくれています。自分が行った研究の成果を生かしてその続きの話があるというのは、本当に嬉しいものです。

なお、この発表研究の一部は、アレルギー協会平成28年度真鍋奨学助成金でもって行われました。また、この研究発表の内容は5月13日土曜日、神戸三宮で開催されます兵庫県臨床アレルギー研究会で教育講演をさせていただく予定になっています。こちらのほうは日本語ですので(笑)、興味のある先生はぜひご参加ください。






2017年3月28日火曜日

神戸で講演を行いました

3/25(土)に神戸で乾癬に関する講演を行いました。ご参加頂いたのは主にご開業の先生方でありまして、早い時間から、ありがとうございました。本当はメイン演者の東海大学馬渕先生のご講演が目当てだったとは思うのですが・・・前半60分の私の基礎医学のお話の部分から会場が8割くらい満席という状態でしたので、聴いて頂いた諸先生方に感謝申し上げます。また座長を努めて頂きました神戸大学皮膚科錦織千佳子教授に深謝申し上げます。

講演内容ですが、将来的に開発される可能性のある(アメリカで治験段階)新しい乾癬治療の薬の話や、サイトカインなどの基礎医学の話を中心にさせていただきました。

2017年3月12日日曜日

水谷仁教授退任記念学会(第279回日本皮膚科学会東海地方会)で学会発表を行いました

水谷 仁教授が三重大学皮膚科での長年にわたる教授職ご退任の日を無事に迎えることを記念致しまして、水谷仁教授退任記念学会(第279回日本皮膚科学会東海地方会)が3/11−3/12の2日間にわたり、盛大に開催されました。私も、兵庫医科大学皮膚科における乾癬のバイオ製剤による治療成績(レミケード、ヒュミラ、ステラーラ、コセンティクス)をまとめて、学会発表させていただきました。私が三重大学皮膚科に入局させていただいたのは2001年の春で、膠原病・乾癬・アトピー性皮膚炎など多岐にわたってご指導いただきました。水谷先生は三重大の教授職はご退任ということですけれども引き続き三重大学でのご勤務は継続されるそうですので、私ども後進の皮膚科医へのご指導ご鞭撻を引き続きお願いしたいと思っています。




2017年3月4日土曜日

乾癬に免疫抑制作用の無い新薬が登場です。

乾癬という分野は皮膚科では進歩がものすごい分野で、毎年のように新しいお薬が発売されます。今月に発売されたアプレミラストは、非常にお値段が高額な内服薬ですが、免疫抑制作用が無いという特徴があります(ただし妊婦さんには使用禁止です)。当院は皮膚癌をはじめとする悪性腫瘍の患者さんが多いので、担癌患者さんで、ひどい乾癬や関節症性乾癬(乾癬によって皮膚だけでは無く関節痛や関節破壊が起こります)の患者さんには今まで良い治療法が無かったのですが、今後はこの新薬や、また当院で新しく購入した最新の光線治療器などを駆使して、感染症や悪性腫瘍のある乾癬患者さんも治療できるようになりました。当院でも処方を行っております。悪性腫瘍があるせいで乾癬治療の手段が限られていた患者さんには本当によいニュースだと思います。

2017年2月5日日曜日

2/11(土)、第80回 日皮会 東京支部総会で講演します。

来週土曜日に、第80回 日本皮膚科学会東京支部学術大会(パシフィコ横浜)におきまして、「乾癬皮疹を早期に治療する重要性」というタイトルで講演させていただきます。

今回は眠たい基礎医学の話はカットしており、臨床家向けの内容でございまして、外用剤の選択の方法、内服薬の副作用の注意点、バイオ製剤の使い方など、特に、若い先生にわかりやすい内容を考えています。

また、このような講演の機会を与えてくださいました、会長の相原 道子先生、事務局長の山口由衣先生をはじめとする関係者の皆様に深謝いたします。著名な教授の先生方のお名前が並ぶ中、たいへん恐縮です。。。


2月11日(土・祝)12:10〜13:10 第6会場(4F 419)

ランチョンセミナー6

  • 座長:奥山 隆平(信州大)、大山 学(杏林大)
  • 「関節症性乾癬早期治療介入の重要性」
  • 演者:山本 俊幸(福島県立医大)
  • 「乾癬皮疹を早期に治療する重要性」
  • 演者:今井 康友(兵庫医大)

2017年1月31日火曜日

(医師・研究者向け雑談) 米国留学を考えている先生へ


もう数か月で、日本に帰国して2年になってしまいますね。。。

ということで、知識が古くなる前に、アメリカ留学中に、これから留学を考えている先生に参考になればと思ってアドバイス?を書いてみます。似たような留学体験記は多いので、きっと渡米前には皆さん読んでいるであろう有名サイトに書いてないことだけ書こうと思います。




(1)そもそも、給与有り、医療&歯科保険ありのポストで留学するとラク

 現状、日本からアメリカに送金が困難です。逆は簡単です。アメリカに送金するには先に送金先の口座が必須で、日本からしか送金できません。つまり渡米後しか口座が作れないのであれば、渡米後しか送金してもらえず、とっても不便です。しかもわざわざネットバンクで送金できないように規制されているため、日本で送金してくれる人が必要と、わざと不便になっています。事実上このルートは使いにくいのが現状です。渡米してしばらく経たないと使えません。

 そこで、やはりアメリカの勤務先の給料で生活できると、アメリカの銀行口座に現金が振り込まれるので、当たり前ですが生活が楽です。なお私の留学した時代では小切手はほぼ消滅しており、家の家賃くらいでしか使用せず、それも半年くらいしたら家賃もクレジットカード払いになりました(すごいマイルが貯まりました)。
 これは賛否両論あるとは思うのですが、給料ゼロでも留学生が殺到するようなノーベル賞を取ったようなラボに留学するのであれば、例えば日本の講座にポストを残して日本から給料が日本の自分の口座に支払われるとして、これをアメリカで現金として引き出すのも、けっこう難しいです。クレジットカードは以外に為替手数料が安く、ドルで買い物をしたとしても、ダイナースで1.3%、VISAなどで1.6%しかかからないので、日本のクレジットカードをそのまま使うという手があります。ただし、ガソリンスタンドや地元系スーパーマーケットはアメリカ発行のカードしかだめなところがあり注意が必要です。ドルを現金で使用する機会は少ないのですがチップ用の1-5ドル札や、25セントコインが必要なことも多く、結局キャッシュも、ないと不便です。ただし、わけのわからないATMは使用したくないですね。
 キャッシュについては、いろいろ調べた中でもっともコストが安いのは旧シティバンク、現プレスティアの口座を日本で開き、このドルキャッシュカードを使ってアメリカにあるシティバンクまたは米国セブンイレブンのコンビニATMで現金を引き出せば、自分のドル口座から(条件によっては)手数料無料で引き出せます。この銀行は円からドルは手数料は1円ですから、この方法が最安値です。この方法でアメリカで100万円くらい引き出してキャッシュで車を買う先生がけっこう多いらしいのですが、私はおすすめしません(全国どのATMからでも20ドル札しか出てきませんので)。私はトラベラーズチェックを使いましたが現在廃止されたので、最初に日本からお金を持ち出す良い方法がなくなってしまいました。最初に車を買うのに資金が必要なのですが、難しいので、最初はレンタカーにしておくなどのサービスが必須かもしれません。

 あと、蛇足ですが日本で米国滞在者向け医療保険に入っても歯科がカバーされないので、やっぱりアメリカで歯科がカバーされる保険に入らしてくれるポストが安心です。日本と違い、正しい根管治療や歯科矯正、各色あるレジンやインプラントなど、アメリカのほうが歯科は保険適応範囲が広いです。特に根幹治療はそれだけやっている別のクリニックが沢山あり、日本と全く違います(アメリカなら歯が残せるが日本だと抜歯!)。


(2)アメリカ仕様の携帯電話は日本で契約できる

皆さん電話がなくて苦労するようです。アメリカはメールやネット予約ではなく電話が何をするにしても必須です。現地の電話を手に入れるにはソーシャルセキュリティナンバーが必要だったりして、日本から長期出張扱いで行ってずっと日本の電話のままだと困ったことになります。何を契約するにも電話番号が必要なので電話番号が一番大事です。私はKDDIモバイルでアメリカの携帯電話を渡米当日から持っていた(しかも電話番号が留学先の住所にちゃんとなっている=アメリカは固定電話と携帯で番号区別なし)ので、みんなに不思議がられたのですが、おかげで、現地の雇用契約も、給与振込先銀行口座開設も、アパート契約も車の購入もアメリカ自動車運転免許の取得もスムーズに進みました。実は日本で携帯を買うと現地より少し高いのですが、最後に解約するときにラクなので、やはりアメリカの携帯電話は先に日本で契約して実機も日本で受け取っておくのが正解ですね。グーグルマップもアメリカに付いた日からすぐレンタカーで移動するのに、とても役に立ちました。


(3)ANAとJALのファミリークラブには両方入っておくべし
普通は皆さん両方入るんだと思いますが、これ、保険のために入るのではなく、自動車保険のために入るのです(いわゆるアンブレラ保険、日本にはない)。アメリカの自動車保険ですが、このサービスで日本の会社を通したほうが半額くらいになると思います。1年くらいで帰るのでレンタカーにする人は関係ないですが。ちなみにアメリカは中古車価格が日本より高く、
トヨタかホンダであれば2年乗っても20-25%しか目減りしません。


(4)留学中にアメリカ観光・学会参加したい人は「デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス・カード」に日本で入会しておくべし

単に飛行機でアメリカ国内旅行をする話で恐縮なんですが、まあアメリカの学会も行きやすいわけです。デルタなら、日本で加入できるデルタのクレジットカードに入るだけでシルバー会員となり、優先レーンからセキュリティに入れます(羽田のファーストクラス用入口と同じ)。混雑回避、特に乗継ミス予防)に有効です。空港ラウンジは食べ物が生ニンジンしかないユナイテッドより、デルタのほうが豪華なので、お金がある人はゴールドにしておくといいかも。アメリカから申し込んでもこの特典は無いので注意です。・・・ちなみに私は、サウスウエスト航空という全席自由席かつ12時間くらい平気で遅れる悲惨なLCCしか使わなかったので、あまり関係ない話です。デルタもハブ空港以外は8時間くらい普通に遅れるから大差ないか?




なお、写真はウィスコンシン医科大学留学中に、当時カリフォルニア大学サンディエゴ校助教授だった石先生(免疫学教室の先輩)を訪ねた時に撮ったものです。学会があったオレンジカウンティ空港からレンタカーを借りて2-3時間程度運転し、サンディエゴまで行ってみました。綺麗ですね。。。



2017年1月21日土曜日

新しいバイオ製剤が登場です。

乾癬の治療というのはホットな分野で、コセンティクス、トルツ、ルミセフといった従来のバイオ製剤よりもさらに効果が高いバイオ製剤(IL-17阻害剤)が登場しました。投与体制が整い、当院でも、既に投与が始まっています。もはや皮疹をゼロにするというのは現実的な目標になっています。当院の皮膚科はバイオ製剤がかなり得意な方だと思うのですが、それでも完全に皮膚炎をゼロにしたいという、特に若い女性の方の要望に、さらに応えることができるかもしれません。最近は、ある程度内服薬で効くのだが、乾癬の治療でさらに高い効果が欲しい(皮膚炎を完全にゼロにしたい)という患者さんのご紹介も増えて参りましたが、以前と違って「それは難しいですね」ではなく、選択肢があるということになってきました。

2017年1月16日月曜日

医局秘書を募集しています

医局・教授秘書の新規募集のお知らせです。
詳しくは、お問い合わせ頂くか、来週末のタウンワークをご覧下さい。

〈募集内容〉
・本年4月より勤務(3月からでも可)
・平日/9:00〜17:00(休憩1h)
 第1,5土曜日のみ/9:00〜12:00
 ※週3〜4勤務 
 ※勤務曜日・時間 応相談 週30時間まで 
 ※雇用期間最長5年
・交通費支給
・昇給あり
・社会保険完備(週20時間を超える場合)
・時給900円〜 本学規定による
・大学生可

〈仕事内容〉
電話対応、書類作成やデータ入力作業、物品発注・管理等
PCの基本操作(Word、Excel)ができる方、人の役に立つことが好きな方歓迎

<履歴書送付先・問い合わせ先>
〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1-1 兵庫医大皮膚科 秘書 
電話:〇七九八-四五-六六五三