2021年10月1日金曜日

開業のご挨拶

 


長年続けてきたアトピー・乾癬外来ですが、2021年10月から、担当医である今井医師が兵庫医科大学を非常勤となり、阪神電車の野田駅(野田阪神)で皮膚科クリニックを開することに伴いまして、兵庫医科大学病院における診察枠は月2〜3回(毎週木曜日、不定期、原則1.3.5週のみ)に減った状態ですが、続行しています。

野田阪神駅前いまい皮フ科については、2021年12月から開院し、乾癬の患者さんにたくさん来院していただいております。乾癬の専門的な診察をご希望の患者さんは、お気軽に、野田阪神駅前いまい皮フ科にお越し下さい。

なお、乾癬やアトピー性皮膚炎のバイオ製剤は、引き続き兵庫医科大学病院で投与を継続して参ります。引き続き、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。

2021年9月28日火曜日

今井が責任著者の、アトピー性皮膚炎とADCTに関する論文が出版されました。

少し前に受理されていたのですが、今井が責任著者の、アトピー性皮膚炎とADCTに関する論文(英文)が出版されました!日本からはじめてのADCTの報告になると思います。

全文はこちら:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/cia2.12212


論文内容の日本語訳:Atopic Dermatitis Control Tool (ADCT)はアトピー性皮膚炎(AD)の⻑期疾患コントロールを評価する患者さんにアンケートをするタイプのツールですが、実臨床における日本での報告は、この論文が初めてとなります。当院でデュピルマブを投与中の患者(投与群)45例、デュピルマブ中止後も寛解している患者(寛解群)25例、デュピルマブ中止後に再燃にてデュピルマブを再開した患者(再燃群)4例について、ADCT評価を実施したところ、投与群、寛解群のほとんどがADCT7点未満(長期コントロール良好)でした。一方、再燃群の100%がADCT7点以上でした。また、投与群・寛解群ともに、確立された指標であるPOEM、DLQI、EASIとADCTは有意に相関していました。よって、ADCTは実臨床においてもデュピルマブ投与による長期疾患コントロールの指標となると考えています。



2021年8月13日金曜日

今井のアトピー性皮膚炎の総説が、今月号の日本皮膚科学会雑誌に掲載されました。

 今井が著者の、アトピー性皮膚炎の総説が、今月号の日本皮膚科学会雑誌に掲載されました。アトピー性皮膚炎では2型自然リンパ球(ILC2)が活性化していますが、IL-4シグナルを阻害することで、アトピー性皮膚炎患者さんの血液中のILC2の割合が著名に低下します。これらの最近の研究成果について、平易に解説しております。

 https://doi.org/10.14924/dermatol.131.1827




2021年7月8日木曜日

今井が責任著者の、アトピー性皮膚炎と2型自然リンパ球に関する論文がJID innovationsに掲載されました

皮膚の2型自然リンパ球には遊走する群があることをシングルセルRNA-Seqで明らかにし、さらに、2型自然リンパ球が炎症存在下では遊走することを証明しました。

今までの集大成という内容になっております。


https://www.jidinnovations.org/article/S2667-0267(21)00035-7/fulltext


2021年7月6日火曜日

生物学的製剤投与中患者の新型コロナウイルスワクチン接種について

乾癬などの皮膚炎を、生物学的製剤の注射で治療している患者さんについて、(他の持病や投薬があれば別ですが)、新型コロナウイルスワクチン接種に関しては問題が無いという声明が出ています。

生物学的製剤を使用中は生ワクチンは使用できませんが、日本で認可されている新型コロナウイルスのワクチン(RNAワクチン (Pfizer/BioNTech, Moderna) 、複製欠損性組換えウイルスワクチン(Oxford/AstraZeneca))は、どれも生ワクチンではないため、使用不可なワクチンに該当しません。

参考URL: https://www.psoriasiscouncil.org/ 参照日:2020/12/3

詳しくは:https://www.psoriasiscouncil.org/covid-19-psoriasis-resources.htmにも記載されています。

2021年6月22日火曜日

アトピー性皮膚炎の論文がJDに掲載されました

今井が責任著者の、アトピー性皮膚炎の論文がThe Journal of Dermatologyに掲載されました。

デュピルマブとタクロリムス外用剤は併用しても良いというエビデンスの一つになると思います。そんなの当たり前だと思われるかもしれませんが、ちゃんと論文にしたものはおそらくこれが初めてだと思います。

 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1346-8138.16039


2021年6月12日土曜日

日本皮膚科学会総会で講演しました

イブニングセミナー(ES18-1)でチルドラキズマブに関して講演させていただきました。

ただしパシフィコ横浜(現地)とWebのハイブリッド開催で、一部の会場ではリモート講演が多く「映画館状態」だったようです。私の講演は残念ながら新型コロナウイルス感染症に配慮してリモート講演とさせていただきました。

写真は「会場に入ったけど、今井先生はおらず、リモートだった・・・」というメールをいただいたので、ありがたく転載させていただきました。リモート参加で申し訳ございませんでした。

会場には行けなかったので、貴重なショットですね。

座長の朝比奈先生、佐野先生、一緒に講演していただいた山崎先生、ありがとうございました。





2021年5月19日水曜日

■求人■ 実験補助の募集(兵庫医科大学 皮膚科学)

皮膚科では、現在の秘書3名に追加して実験補助(若干名)の追加募集を行います。なお、常勤・非常勤どちらも可能です。

<求人内容>
実験動物(マウス)の維持管理や臨床検体の維持・管理を中心に、免疫学的実験、形態学、分子生物、生化学、細胞培養実験にも参加していただけます。

[機関の説明(募集の背景、機関の詳細、プロジェクトの説明等)]
 当該講座では、皮膚疾患の病態解明と新規診断治療法の開発を目指し、様々な研究を行っています。
 当科で行っている実験・業務には、臨床検体や医学情報の保管管理、実験動物の維持管理、免疫組織化学、電子顕微鏡試料作成、観察、二光子レーザー顕微鏡観察、分子生物学、遺伝子組換え、免疫学的実験、生化学、培養細胞などがあります。

[勤務地住所等]
〒663-8501
兵庫県西宮市武庫川町1-1

[募集人員]

若干名(常勤または非常勤)

[応募期間]
2021年7月末まで(適任者が決定次第、募集終了します)

[着任時期]
応相談 

(条件)
医学系、薬学系、生物・化学系、臨床検査、栄養系などに関連する大学を卒業し、ピペット操作をしたことがある方。
卒後、企業、病院、大学、研究所等で医学・生物系実験の経験がある方、なお可。ブランク可、未経験でも可。

(待遇)
非常勤:学校法人兵庫医科大学の支給基準に基づき支給(時給 1,000円〜1,500円。年齢,経験により決定)、最大更新5年まで。
勤務日:週3〜5日(応相談)
勤務時間:9時〜17時の間で6時間程度
     (曜日と時間は応相談、週30時間まで。)
休日:土曜(隔週)、日曜、病院が休みの祝日

勤務例: 9:30〜14:30 週4日(月火木金)時給1,100円、月収88,000円(年収106万円)
扶養の範囲内でお仕事することも可能ですし、扶養を超えて健康保険(私学共済)への加入することも可能です。なお、下記の常勤待遇も選択できます(応相談)。
※ブランクがあった方でも活躍されています。


常勤の実験補助も募集しています
待遇学校法人兵庫医科大学の支給基準に基づき支給、保険あり
勤務日:週5日+1,3土曜日
勤務時間:応談
休日:土曜(隔週)、日曜、病院が休みの祝日
新卒可。詳細は電話などで、ご連絡ください。最大更新5年までです。
※ブランクがあった方でも活躍されています。
※週に30時間を超える勤務を希望される場合は常勤となります。


応募・選考・結果通知・連絡先
必要書類:履歴書(写真貼付)
※これまでの研究補助の実績があれば記入して下さい。
※不採用の場合、大学人事部の方針により、応募書類は返却できないことになりましたのでご了解ください。


[選考内容(選考方法、採否の決定)、結果通知方法]
書類選考と筆記試験、面接

[連絡先(担当者所属、役職、氏名、e-mail、電話番号)]
〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1−1
兵庫医科大学 皮膚科学 秘書 気付 
講師 今井康友 宛 


※応募書類は郵送でお願いします。封筒には「実験補助応募書類在中」と書いてください。

2021年4月14日水曜日

コロナ対応:処方箋を郵送します(兵庫医大皮膚科)

「皮膚科もついでに診察している内科医のクリニック」や「兵庫医大のような総合病院の皮膚科」は、新型コロナウイルス感染が心配で、受診そのものを避ける患者さんが多くなってきています。

確かに理解できる行動であります。そこで、軽症の患者さんは、皮膚科専門医のクリニックに逆紹介する方針です。コロナ疑いなどの感冒様症状で受診している患者さんと待合室が同じになってしまう内科・皮膚科のクリニック(内科医が皮膚科も標榜するパターン)ではなく、皮膚科だけのクリニックなら安心して通院したいただけるというわけです。

皮膚科の外来ですが、混んでいる時間帯・曜日と混んでいない時間帯・曜日があります。また、曜日によっては、採血室が非常に混雑しております。当院の近隣の病院で新型コロナウイルスのクラスターが発生し、その受診を避けた患者さんが当院に集中している可能性もあります。

大変申し訳ございませんが、初診予約・再診予約に、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

また、一部の疾患では、「電話再診」が可能です。処方箋は郵送になります。詳しくは、皮膚科外来まで、電話でお問い合わせください。

大学病院の受診がご不安な方は、お近くの皮膚科クリニックの利用もご検討ください。随時、診療情報提供書の発行も行っております。

なお、兵庫医大では全入院患者さんに新型コロナウイルスのPCRを行い、陰性の患者さんだけが入院可能というシステムですので、ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。


文責:外来医長 今井

2021年2月20日土曜日

今井のアトピー性皮膚炎に関する論文が国際雑誌に掲載されました。

実際のアトピー性皮膚炎患者さんに2型自然リンパ球(ILC2)が関与していることを示した論文になります。ILC2が増殖するにはIL-33とIL-4の両方が必要ですが、デュピルマブをアトピー性皮膚炎患者に投与すると、予想の通りILC2が減少しました。また、ILC2の減少が大きかった患者さんや、もともとILC2が多くて減少する余地があった患者さんは、デュピルマブの効果が高かったことも判明しました。2013年から続く自分のILC2研究が、これで完結したという感じというか、今まで動物実験だったりin vitroだったりしたことが、綺麗に実際の臨床でも言えることが判明しました。

雑誌:JID Innov.

https://www.jidinnovations.org/article/S2667-0267(21)00003-5/fulltext

2021年2月8日月曜日

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症(Novel Coronavirus disease 2019, COVID-19)が流行する中、乾癬に対する生物学的製剤はどれくらいのリスクがあるのか?

(論文紹介)他科領域と同様、乾癬の生物学的製剤を使用中であっても新型コロナウイルスが重篤化しやすくなるわけではない、ということが判明しました。コロナ禍が終わるまでバイオ製剤の投与は辞めておこうというアイデアもありますが、そんなに気にしなくて良さそう、という論文が相次いで発表されています。


イタリアにおける、生物学的治療を使用している尋常性乾癬患者6501例の検討では

COVID-19による入院の発生率( 1万人月あたり)

乾癬患者 11.7(95%CI,7.2~18.1)

一般集団 14.4(95%CI,14.3~14.5)

COVID-19による死亡の発生率

乾癬患者 1.3(95%CI,0.2~4.3)

一般集団 4.7(95%CI,4.6~4.7)

であって、乾癬患者におけるCOVID-19の転帰に生物学的製剤の有害な影響は認められなかったと報告されています(Gisondi P, JACI 2020)。


また、25カ国のCOVID-19に罹患した乾癬患者 374 例の検討では、生物学的製剤の使用は、非生物学的全身療法に比べて入院リスクが低かった(OR = 2.84;95%, CI = 1.31-6.18)。生物学的製剤のクラス間では有意差なし、という論文も発表されています(Mahil SK, JACI 2020)。

以上から、コロナウイルス禍であっても、皮膚科医は皮膚炎をしっかり治療するべきと結論されています。日本人のデータではありませんが、参考になる論文だと思います。

一方、長期のステロイド内服はコロナウイルス感染症の悪化要因であることが多数報告されており、このような薬が必要な患者さんには、注意が必要と思われます。コロナウイルス感染症による重症化リスク増加を考えると、蕁麻疹やアトピー性皮膚炎に安易にステロイド内服を処方することは、現在のコロナ禍においては慎重な検討が必要と考えています。












 

生物学的製剤投与中の患者さんに、コロナウイルスのワクチンは禁忌なのか?

いいえ、ワクチン接種可能とIPC(*)から声明が出ています。

アトピー性皮膚炎、乾癬に関わらず、バイオ製剤投与中にコロナウイルスのワクチンは禁忌ではありません。

不可能なのは、生ワクチン(風疹麻疹MR、水痘、おたふく、BCG、ロタ)などです。

http://blog.dermatology.network/2019/02/blog-post_19.html

不活化ワクチン(インフルエンザなど)は、いつでも投与可能です。また、新型コロナウイルスのワクチンは、ワクチンの治験では生物学的製剤投与中の患者はエントリーされていないのですが、現在開発中のいずれもが生ワクチンではありませんので、理論上投与可能と考えられます(生ワクチンはバイオ製剤投与中の患者さんには禁忌です)。乾癬性患者全員がワクチンにアクセスできるようにするべきとIPC(*)は考えています。(*)これらの情報は、https://www.psoriasiscouncil.org/ から翻訳しました。



2021年1月15日金曜日

皮膚科外来の混雑緩和についてのお願い

 当科の外来ですが、混んでいる時間帯・曜日と混んでいない時間帯・曜日の差が激しくなっています。また、曜日によっては、採血室が非常に混雑しております。当院の近隣の病院で新型コロナウイルスのクラスターが発生したため、その受診を避けた患者さんが当院に集中しているなど、原因は諸説あると思うのですが、予約外受診が多い日と少ない日の差が激しいことも、原因の一つと思われます。同じ曜日の同じ時間帯でも、外来が3密になる日と、待合室がガラガラの日ありますので、これを分散させるべく、初診も含めて予約を取って来院していただけますよう、ご協力をお願い申し上げます。なお、1/15時点では、当院ではコロナウイルスのクラスターはまだ発生していませんが、大学病院医局として、コロナウイルス感染によって出勤停止となった他院医師の代診医師を派遣するという機能を担っていることもあり、その分、大学内の医師数が減少しますので、結果として、今後は予約外の患者さんの待ち時間が長くなる見込みでございます。

大変申し訳ございませんが、初診予約・再診予約に、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

また、再診ですが、一部の採血・レントゲン撮影が不要な疾患では、「電話再診」が可能です。処方箋は郵送になります。詳しくは、皮膚科外来までお問い合わせください。大学病院の受診がご不安な方は、お近くの皮膚科クリニックの利用もご検討ください。随時、診療情報提供書の発行も行っております。

文責:外来医長 今井


2021年1月8日金曜日

兵庫医大の立ち入り制限強化について

兵庫医大では、新型コロナウイルスによる感染の再拡大に伴い、教職員以外の学外関係者による本法人施設内への立ち入りを一部制限していましたが、本日、政府から緊急事態宣言が発令されたことに伴い、以下のように制限を強化します。
具体的には、緊急事態宣言に該当する地域の方からの来学者は大変申し訳ございませんが立ち入り禁止になります。

詳しくはこちらの公式サイトをご覧下さい。

なお、コロナウイルスが心配な患者さんには兵庫医大皮膚科は電話再診に対応しています。