2020年5月26日火曜日

手術再開・診療体制が元に戻ることのお知らせ


先生方へお知らせ


皮膚科も通常体制での診察に戻ります

・悪性腫瘍ではない手術はすべて延期としておりましたが、緊急事態宣言が解除されたことに伴い、良性疾患の手術も通常体制で行います。また、乾癬やアトピー性皮膚炎のバイオ製剤も、以前と同様に、導入ができるように戻ります。

・外来受診時はご自宅にて体温を測定し、発熱等、以下の症状がないことを確認し、必ずマスクを着用のうえ、ご来院いただきますよう、ご指導のほど、ご協力よろしくお願いいたします。


患者さんへ

緊急事態宣言中の再診予約を6〜7月に延期した患者さんが多いため、既にかなり予約が多い状態となっています。したがって、初診の方は、まずは一般の皮膚科(えいご皮膚科西宮など)を受診し、紹介状を作成してもらって初診予約していただいたうえで受診するよう、お願い申し上げます。大変申し訳ございませんが、予約せずに紹介状なしで受診されますと長い待ち時間が予想されます。




2020年5月12日火曜日

【皮膚科】オンライン診療を開始します!

兵庫医科大学皮膚科医局では、オンライン診療を開始します!
(こちらから)

まずは、医局の関連施設である「えいご皮膚科」から始めて行きます。
オンラインコードは、 ab59 です。

大学病院本体はまだ対応しておりませんが、「えいご皮膚科西宮院」では、前・皮膚科主任教授の山西清文先生、または現・皮膚科病棟医長である永井諒先生の診察がオンラインで可能となっています。

現状、皮膚の様子を診断するには動画では解像度が足りず、写真をあらかじめスマホで撮影して送っておくという対応が必要なこともあります。

現在、大学病院はコロナウイルス対策にて発熱者は入館できず、また外来や手術も最小限に制限しており、大学病院皮膚科でしか診療できないような疾患に特化させていただいております。一般的な皮膚疾患は、(別にえいご皮膚科でなくても)まずは近隣の皮膚科を受診してくださるか、オンライン診療を利用していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。なお、オンライン診療には限界があり、場合により実際の受診が必要になることもあります。


オンライン診療予約はこちら

2020年5月8日金曜日

新型コロナウイルス(COVID-19)と生物学的製剤(バイオ製剤)について(R2/5/18 update)

コロナ禍において、アトピー性皮膚炎の生物学的製剤はおそらく通常運転できそうだが(データが無いので慎重な対応が必要)、乾癬の生物学的製剤投与患者が新型コロナウイルスに罹患した場合は、延期するかどうかの検討が患者さんによっては必要かもしれない。


アトピー性皮膚炎の生物学的製剤(デュピクセント)は、新型コロナウイルス(COVID-19)に作用機序としては悪影響は無さそうだ、ということが報告されていますが、新型コロナウイルスの病態には未解明な部分があり、持病などに応じて投与判断は慎重に行っています。なお、喘息患者さんに急に中止するとぜんそくが悪化するリスクがあるかもしれませんので勝手に中止というもの危険です(Safety of dupilumab in severe atopic dermatitis and infection of Covid-19: two case reports:論文へのリンク残念なことに、アトピー性皮膚炎の患者さんの受診控えにより、以前に無かったような重症な状態で病院を受診される患者さんが増えた印象です。当院でも、デュピクセントの導入に関しては現在絶対的な禁忌とは考えていません。

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なお、乾癬患者さんで、免疫抑制剤または乾癬の生物学的製剤(バイオ製剤)を投与中に、もし新型コロナウイルス(COVID-19)に罹患した場合は、中止か延期です。

International Psoriasis Council(IPC)の声明
(英語:https://www.psoriasiscouncil.org/blog/Statement-on-COVID-19-and-Psoriasis.htm
によると、乾癬で生物学的製剤を投与中の患者さんが新型コロナウイルス(COVID-19)に罹患した場合は、生物学的製剤を中止または延期が推奨されています。この内容は、日本リウマチ学会の声明とほぼ同じ内容です。要はインフルエンザ罹患時と同様に、重篤な感染症に罹患した場合は基本的には、生物学的製剤を中止または延期するということになります。実際にどれくらいの症例が延期されたかについては、プレリミナリーなデータが報告され(こちら)、それによれば、生物学的製剤を投与中の乾癬患者が新型コロナウイルスに感染した症例が105例報告され、56%が生物学的製剤を中止、33%は継続、残りは不明と報告されています。入院が必要な症例は27%でした。105例中90例が回復していると報告されています。また、別のレジストリによれば、新型コロナウイルス感染した7例中2例で生物学的製剤が中止されたと報告されています。イタリアの症例報告では、あまり生物学的製剤を中止するつもりが無いものもありました(こちら)。ちゃんと査読された報告としては、NEJM(リンク)に、生物学的製剤を使用していた乾癬患者の14名がCOVID-19に罹患し、うち1名で入院が必要だったとあります。他の疾患に比べて多いというわけではなさそうです。

ということで、全例予防的に治療中断せよという話にはなっておりません。この文献では、ウイルス感染しても症状が軽度なら続行になっています。それは、今のところは、これら免疫抑制薬の使用が感染リスクを上昇させるとは報告されていないからです(文献:Should Biologics for Psoriasis Be Interrupted in the Era of COVID-19?)。ただし、新型コロナウイルス(COVID-19)の重症化のリスクが上昇する疾患に、糖尿病、高血圧、心疾患、脳血管疾患が報告されております(エビデンスとなる論文はこちら)ので、症例によって考えるということになります。
サイトカインはウイルスを抑制するのか肺炎悪化の要因なのか両方なのかよく分かっておらず、トシリズマブが治験されているのと同様の理由で、むしろ乾癬で用いられる抗IL-17抗体であるイキセキズマブは、新型コロナウイルス肺炎に対して治療薬としての治験が開始されています(ただし中国です。詳細はこちら)。同様に、アダリムマブも治験が開始されたようです。





2020年5月1日金曜日

兵庫医科大学の受診制限について

前回記載しましたように、兵庫医科大学病院では新型コロナウイルスを院外から持ち込まないために受診の制限を開始し、紹介状が無い患者さんは受診できないことになりました。特定機能病院として、従来の疾患の診療機能をできるだけ維持できるように努めて参ります。従って、新型コロナウイルスを疑う皮膚症状の初診患者さんは、当院では対応できませんので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

なお、紹介状が無い患者さんには大変ご不便をおかけいたしますが、この3月末まで兵庫医科大学皮膚科学の主任教授だった山西清文先生の診察を、兵庫医科大学病院から徒歩30秒の「えいご皮膚科」で受けることができます。したがって、入院加療またはバイオ製剤を必要とするような重症以外の皮膚疾患は、まずはえいご皮膚科を受診していただきますよう、お願い申し上げます。なお、曜日によっては山西前教授ではなく、永井病棟医長または女医さんが担当する日もあります。

えいご皮膚科 西宮院 はこちら