2017年10月2日月曜日

第6回日本眼科アレルギー講習会に参加してきました

今井です。
東京・品川で開催された第6回日本眼科アレルギー講習会に参加してきました。

乾癬はバイオ抗体製剤で皮膚炎がほぼ無い状態にすることも可能となってきましたが、アトピーでは開発が遅れておりました。
現在ではアトピー性皮膚炎はIL-4やIL-13といったサイトカインの疾患への関与が明らかとなり、やっとヒトに応用されつつあり、皮膚科ではアトピーに関してこれらのサイトカインを標的としたバイオ抗体製剤を用いた新規治療法の治験が進行中です(当院でも、重症のアトピー性皮膚炎の患者さんは治験へのエントリーが可能です)。

さて、これらのアトピー性皮膚炎関連サイトカインは、アレルギー性結膜炎やアトピー性角結膜炎でも同様なのでしょうか?私たちは、当院眼科などとの共同研究で自然リンパ球やIL-33が、(アトピー性皮膚炎だけでなく)アトピー性角結膜炎などの眼科アレルギー疾患にも関与することを示しています(Scientific Reports 7, Article number: 10053)。この第6回日本眼科アレルギー講習会では順天堂大学の浅田先生が、マウスの実験系で、IL-25ノックアウトマウスやTSLPノックアウトマウスでは結膜炎が発症したがIL-33KOマウスでは結膜炎が有意に抑制されたという分かりやすいconvincingな御講演をされており(論文にももうなっているそうです)、皮膚科領域だけではなく、眼科領域においてもIL-33などの炎症性サイトカインが誘導するIL-4やIL-13といったサイトカインがアトピーに関与していることが確実になってきていると感じました。今まで治らなかった疾患が治るようになるという大きな変化が、もうすぐアトピー性皮膚炎にもやってくるかもしれません。最短でも4−5年後かとは思われますが・・・・