2018年4月28日土曜日
今井の乾癬に関する論文が掲載されました(共著)
アメリカ留学中にやっていた仕事の一つが、やっと今頃になって論文掲載(共著)されました(どれだけかかっているのやら・・・)。
乾癬による皮膚炎が、脳に及ぼす影響研究ですので、あまり皮膚科医には興味は無いかもしれませんが。fMRIを用いて脳機能計測を行っています。実はステロイド外用するだけで脳みそはハッピーに戻ってますが、このあたりも面白い結果だと思っています。
原著(英文)
http://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/2475530318763617
2018年4月18日水曜日
アトピー性皮膚炎にもバイオ製剤が発売です
当科では、重症の乾癬患者さんにバイオ製剤の注射を行い、かなりの患者さんで皮膚炎がほとんど無くなるという結果を得ております。しかし、アトピー性皮膚炎では、今までシクロスポリン内服くらいしか強力な治療がなく、どうしても難治な患者さんがたくさんいらっしゃるのも事実でした。この度、まったく新しいアトピー性皮膚炎のバイオ製剤「デュピクセント」が新発売の予定となり、患者さんから問い合わせも来ている状態です。
ついに、乾癬だけでなく、アトピー性皮膚炎にもバイオ製剤が発売になるわけです。
当院としては「既にバイオ製剤の投与経験が豊富である」という利点を生かして、アトピー性皮膚炎の診療に生かしていきたいと考えています。
簡単に説明すると、ステロイド剤は炎症を広く浅く抑える薬ですが、バイオ製剤はその皮膚炎の原因物質だけを特異的に抑えるため、安全性と効果の両方に優れるということになっています。ですから、アトピー性皮膚炎のバイオ製剤は乾癬に効かないし、乾癬のバイオ製剤はアトピー性皮膚炎には無効という点も、免疫学的な特徴になります。
そして、そのアトピー性皮膚炎のバイオ製剤の効果ですが、治験の結果は圧倒的で、EASIスコア変化率が投与16週で-80.1%です。4ヶ月でアトピー性皮膚炎の80%が消えるという、今までどの治療も到達できなかった領域が開かれました。
しかし・・・とてつもない問題点が2つもあります!!
この2点をあらかじめ患者さんにお知らせしておいたほうがいいかもしれません。。。
1)治療期間は最低でも半年間を予定していますが、この間は、2週間ごとに注射に通院しないといけません。それだけ通院時間が確保できるかどうか・・・ということですね。
2)高い!3割負担で自己負担が、5万円/月です。・・・あまりに高いので医療費控除の適応になり、税金が返ってくるので、5月から約半年使ったと仮定して適当に概算すると、確定申告後は所得の低い方で4.3万円/月の負担、報酬月額81万円以上の方で3.8万円/月の負担・・・くらいになると思うので、なぜか高額所得者のほうが医療費が安くなるという、なんだか納得いかない計算結果になるようです。
現在当院皮膚科でもアトピー性皮膚炎のまた別のバイオ製剤を治験中ですが、先生方のご紹介のおかげで多数の患者さんをご紹介頂き、新規の治験は6月中旬で締め切り予定です。今後も、アトピー性皮膚炎のバイオ製剤は治験の治験があればお知らせしますので、難治性のアトピー性皮膚炎患者さんのご紹介をよろしくお願いします。皮疹が全身で重症な方だけではなく、顔のアトピー性皮膚炎が難治な患者さん、また痒くて夜中に目が覚めるといった患者さんも、これらの新薬・治験薬の対象になってきます。
追記:単にステロイド外用剤を塗布したくないだけという患者さんは、新薬の適応外ですので、当院にご紹介なされませんよう、お願いします(皮膚萎縮など、外用できない理由がある患者さんは別です)。この新薬の「デュピクセント」は、ステロイド外用剤と併用するのが基本になっています。
今まで難治性疾患の代表だった乾癬がバイオ製剤で皮膚炎がきれいになるようになったのと同様、アトピー性皮膚炎も難治性疾患からバイオ製剤でほとんどの症例がきれいになる時代が来つつあるのかもしれません。私の外来でアトピー性皮膚炎が良くなって、ずっと(卒業してからずっと10年以上)皮膚炎のせいで無職だった患者さんから、ついに働き始めましたという報告を聞くというのが何より嬉しいので、アトピー性皮膚炎の新しい治療が出てきたことは本当に画期的だと思います。あとは、値段がせめて半額、いやもっと安くなるといいのですが。。。。
ついに、乾癬だけでなく、アトピー性皮膚炎にもバイオ製剤が発売になるわけです。
当院としては「既にバイオ製剤の投与経験が豊富である」という利点を生かして、アトピー性皮膚炎の診療に生かしていきたいと考えています。
簡単に説明すると、ステロイド剤は炎症を広く浅く抑える薬ですが、バイオ製剤はその皮膚炎の原因物質だけを特異的に抑えるため、安全性と効果の両方に優れるということになっています。ですから、アトピー性皮膚炎のバイオ製剤は乾癬に効かないし、乾癬のバイオ製剤はアトピー性皮膚炎には無効という点も、免疫学的な特徴になります。
そして、そのアトピー性皮膚炎のバイオ製剤の効果ですが、治験の結果は圧倒的で、EASIスコア変化率が投与16週で-80.1%です。4ヶ月でアトピー性皮膚炎の80%が消えるという、今までどの治療も到達できなかった領域が開かれました。
しかし・・・とてつもない問題点が2つもあります!!
この2点をあらかじめ患者さんにお知らせしておいたほうがいいかもしれません。。。
1)治療期間は最低でも半年間を予定していますが、この間は、2週間ごとに注射に通院しないといけません。それだけ通院時間が確保できるかどうか・・・ということですね。
2)高い!3割負担で自己負担が、5万円/月です。・・・あまりに高いので医療費控除の適応になり、税金が返ってくるので、5月から約半年使ったと仮定して適当に概算すると、確定申告後は所得の低い方で4.3万円/月の負担、報酬月額81万円以上の方で3.8万円/月の負担・・・くらいになると思うので、なぜか高額所得者のほうが医療費が安くなるという、なんだか納得いかない計算結果になるようです。
現在当院皮膚科でもアトピー性皮膚炎のまた別のバイオ製剤を治験中ですが、先生方のご紹介のおかげで多数の患者さんをご紹介頂き、新規の治験は6月中旬で締め切り予定です。今後も、アトピー性皮膚炎のバイオ製剤は治験の治験があればお知らせしますので、難治性のアトピー性皮膚炎患者さんのご紹介をよろしくお願いします。皮疹が全身で重症な方だけではなく、顔のアトピー性皮膚炎が難治な患者さん、また痒くて夜中に目が覚めるといった患者さんも、これらの新薬・治験薬の対象になってきます。
追記:単にステロイド外用剤を塗布したくないだけという患者さんは、新薬の適応外ですので、当院にご紹介なされませんよう、お願いします(皮膚萎縮など、外用できない理由がある患者さんは別です)。この新薬の「デュピクセント」は、ステロイド外用剤と併用するのが基本になっています。
今まで難治性疾患の代表だった乾癬がバイオ製剤で皮膚炎がきれいになるようになったのと同様、アトピー性皮膚炎も難治性疾患からバイオ製剤でほとんどの症例がきれいになる時代が来つつあるのかもしれません。私の外来でアトピー性皮膚炎が良くなって、ずっと(卒業してからずっと10年以上)皮膚炎のせいで無職だった患者さんから、ついに働き始めましたという報告を聞くというのが何より嬉しいので、アトピー性皮膚炎の新しい治療が出てきたことは本当に画期的だと思います。あとは、値段がせめて半額、いやもっと安くなるといいのですが。。。。
2018年4月10日火曜日
当院の乾癬バイオ製剤外来:初診を予約することができます。
おかげさまで、当院皮膚科は乾癬とアトピー性皮膚炎の乾癬患者さんのご紹介を多数頂いております。特に、乾癬のバイオ製剤を使った治療では、阪神間トップクラスの患者数となっております。
・・・しかし、お近くのクリニックから紹介状を書いていただき、初診をご予約のうえ、受診された方が約5000円お安くなり、いきなり受診されるよりも医療費が安くなる仕組みになっています。
また、乾癬のバイオ製剤に対応している医師の診察日は月曜日と木曜日と一部の土曜日だけになっておりますので、曜日を指定して初診を予約をしませんと、ほかの曜日に受診されたせいで受診し直しとなってしまって、患者さんにご迷惑をおかけしていることもございます。
諸先生方におかれましては、お手数ですが、当科における専門外来の趣旨をご理解いただき、当院のFAX予約をご利用になられますよう、重ねてお願い申し上げる次第でございます。
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