アトピー性皮膚炎診療ガイドラインは、誰でも読める一般公開されたガイドラインです。皮膚科医だけでなく小児科医なども含めてアレルギーに関わる有名な先生数名による共同執筆になっています。
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/atopic_GL2018.pdf
ただし、内容は今年度版からより専門的・臨床的になり、アレルギー学会専門医ではあるが皮膚科ではない先生には、かなり難しい内容になったと思います。さらに、私たちのグループが研究しているIL-33や2型自然リンパ球のアトピー性皮膚炎への関与がガイドラインで紹介されている点も、私たちにとっては感慨深いものがあります。どこが違うか?というと旧アレルギー学会のガイドラインでは皮膚炎面積が広い患者さんには強いステロイド剤を使いましょうとなっていましたが、この最新のガイドラインでは(今回から皮膚科学会とアレルギー学会のガイドラインが統合されたこともあり)、皮膚炎の種類が紅斑なのか、苔癬化なのか、その種類でステロイド外用剤の強さを変えましょう、となったので、皮膚炎の種類の診断が必須という点が古いガイドラインとの違いになっています。なお、最新の治療であるデュピクセントはガイドライン改訂に間に合わず、まだ盛り込まれていない状態です。
いずれにせよ、ガイドラインが一般公開されているのは大変意義があることだと思います。