「生」ワクチンなら、そうです。基本的に、乾癬のバイオ製剤を使っていると、生ワクチンの投与を避けるルールになっています。しかし、これに反対する内容の面白い発表が出ています。
こちらのプレスリリース( Live Zoster Vaccine Safe and Effective for People Taking TNF Inhibitors)をご覧下さい。
昨年11月のAmerican College of Rheumatology年次総会でにおける米国での学会発表です。ヒュミラどのTNF阻害剤(バイオ製剤)を使っている患者さんを617人(このうち乾癬は25%くらい)リクルートしてききて、本当は感染する危険性があるので打ってはいけないはずの帯状疱疹生ワクチン(米国仕様)の投与をやってしまいました。これによって、生ワクチンによる水痘の発症が危惧される6週間の間に、水痘が出てしまった症例は無かったということになっています。
ただ、この報告は治験になっていませんし、簡単に信じれませんが、日本でこのようなことが許可されるには、日本で治験をしないといけません・・・そして、当面はされることは無いでしょう(製薬会社複数で組んでやって欲しい気はする)。
あと、そもそも結核の生ワクチンでは結核発症例も報告されているので、上記の結果を鵜呑みにはできません。
しかし、このようなことからも、より安全なワクチン開発というのは、免疫抑制剤が広く使われるようになった時代が求めている内容ですし、必要に応じて、乾癬のバイオ製剤投与前に先に風疹や帯状疱疹のワクチンを投与しておくことも状況によっては必要となりそうです。
現状でシングリックスを投与可能なクリニックは西宮市内ではまだ発見できておりませんので、当面は生ワクチンのほうの帯状疱疹ワクチンをクリニックで接種することになりそうです。