難治性のアトピー性皮膚炎に限り、当院ではデュピクセント(注射)を用いた治療を行っています。松谷医師と井上助教が、発売後最初の1年間の患者さんの治療成績データを集計致しまして、その統計データは、このたび国際雑誌に掲載されました。
詳細はこちらをご覧下さい(Real-world use of dupilumab for 53 patients with atopic dermatitis in Japan:英文)。
具体的にまとめると、保険適応の標準的な治療で、16週の投与で皮膚炎が73.6%減弱していました。さらによく解析すると、おおむね10%の患者さんが残念ながら「デュピクセント無効」であり、有効であった患者さんは80%程度皮疹が減弱していました。副作用としては結膜炎が多く発生してしまいました。
現在では約100例の患者さんにデュピクセントを投与しており、医師や注射指導を行う看護師もこの治療薬に慣れてきた感じがしております。
(文責:今井)
2020年3月16日月曜日
2020年3月4日水曜日
乾癬(かんせん)は疥癬(かいせん)ではありません。
コロナウイルスだけでなく、疥癬(かいせん)も西宮で猛威を振るっております。
疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニという虫による感染症で、同居者などに容易に感染します。
一方、慢性の皮膚炎が生じる乾癬(かんせん)は、絶対に感染しません。
ところが病名が似ているせいか、乾癬(かんせん)外来に間違って疥癬(かいせん)が受診することが、最近多くなり、困っております。間違って乾癬外来の日に疥癬患者さんが来院された場合、近所の皮膚科を紹介するだけということになりますので、申し訳ないですが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
現在、当院皮膚科の待ち時間が非常に長くなっており、大学病院でないと対処できない重症の患者さんを中心に診察させていただいており、病診連携を取らせていただいております。疥癬は、ごく一般的な皮膚病であり、大学病院でないと対処できない疾患ではありませんので、内科の先生はお近くの皮膚科クリニックの受診を指示していただければ幸いです。
また、兵庫医大受診中であるなど、どうしても兵庫医科大学皮膚科を希望される患者さんは、火曜日の夏秋先生の外来受診になります。
よろしくお願い申し上げます。
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