週末は、宇都宮であった日本乾癬学会学術大会に参加してきました。小さな教室にもかかわらず、乾癬診療に力を入れている兵庫医大からは4人も学会に参加してきました。
私のお仕事としては研究セッションの座長だったのですが、日本の教室からも、乾癬のすばらしい研究がいくつか発表されていてよかったと思います。
兵庫医大からは、和田先生が乾癬のバイオ製剤の奏効性に関連する要因についての考察などを発表しました。さて、バイオ製剤の奏効性、つまり乾癬の注射薬が効きにくくなる要員としては罹患歴や体重などがあり、やはり、昔からずっと乾癬がひどいままの患者さんや体重の重い患者さんでは乾癬の注射薬(バイオ製剤)が効きにくいということが一部のバイオ製剤では分かってきています。また、糖尿病があると効きにくいバイオ製剤もあります。このような種々の条件を考えて、どのような選択肢が患者さんにベストなのかを日々考えています。もっとも、インフリキシマブを除く他のバイオ製剤は、体重にかかわらず保険で認められている投与量は一定ですから、体重が軽い患者さんほど効きやすいのは、当たり前といえば当たり前なので、やはり患者さんには痩せて下さいと説明することになってしまいます・・・。あと、興味深いのは、皮疹の重症度とバイオ製剤の効きやすさは関係がどうも無さそうで、全身が乾癬の皮膚炎であってもバイオ製剤はちゃんと効く、ということも理解されてきました。
このように、乾癬に関してはバイオ製剤がもはや普通の治療となり、さらにその特性の理解や使い方のコツといったものが、医師の間で既に定着した、といった印象の学会でした。