2018年2月22日木曜日

妊婦の乾癬 「道端アンジェリカ、第1子妊娠を報告」

モデルの道端アンジェリカさんが自身のインスタグラムで、第1子妊娠を報告したそうです。道端アンジェリカさんは、昨年自身の乾癬のカミングアウトをされて皮膚科医の間で有名になっています。

ということで・・・時々、妊娠中の乾癬の増悪や、妊婦さんの膿疱性乾癬について、日本皮膚科学会評議員レベルのご高名な先生から、わざわざ対応の御相談を頂いたりしておりますので、今日は「妊婦の乾癬」について、少し書きたいと思います。そう言えば、ミヤネ屋の放送の中では、妊娠中の治療については宮根さんからは何も聞かれませんでしたね。

そもそも、妊娠中は使える薬が限られます。特に「チガソン」という薬は、妊娠中には使えません。また、レミケードなどは、胎盤移行性があり、新生児に問題が起きることも報告されています(赤ちゃんの免疫抑制での感染例)。
しかし、逆に妊婦さんにも安全に使用できる可能性が高い治療法として、胎盤移行性の少ないバイオ製剤だけでなく、当科では、妊娠中に内服可能な薬剤に加え、顆粒球単球吸着療法(granulocyte and monocyte adsorption apheresis:GMA)を積極的に行うなど、妊娠中の乾癬患者の治療経験を持っております。ただ、GMAは、どの施設でも実施できるわけではないのが現状です。妊婦の乾癬でお困りの先生は、乾癬外来まで御相談下さい。