2019年4月6日土曜日

4/17日に「えいご皮フ科 武庫川院」がオープンします

医局長の今井です。
今日は、関連病院を1つ増やしますよ、というご挨拶です。


兵庫医大皮膚科医局の新しい関連クリニックとして、2019年4月17日(水)に「えいご皮フ科 武庫川院」がオープンします。午後の診察時間が18:30または19:00までと、やや遅いのが特徴で、大学病院の外来(17:00まで)に間に合わない患者さんにも対応できます。

場所は、うどん屋の二階、大学病院の正面玄関から徒歩20秒くらいの立地です!
兵庫医大皮膚科外来からも徒歩1分くらいです。


うどん屋の左側のエレベーターで2階に上がりました!
テーマカラーの一つ、緑色の入り口がすぐに見えてきます。
中に入りましょう。




受付・待合室です。
清潔・快適で、モダンな高級感あふれる雰囲気になっています。
では、診察室に入りましょう。



1診の内装は、ピンク基調です。
院長の村本先生と、看護師の中嶋さんです。
中嶋さんは兵庫医大皮膚科外来のエースだった看護師さんで、このクリニックの特徴の1つです!

あと、2診もあります。


なお、院長の村本先生は女医さんですが、一部の曜日(月曜午前、水曜午後)は大学からアルバイト派遣(男性医師)となる予定です(今後変更がある可能性もあります)。

なお、えいご皮膚科武庫川院は、普通の保険診療メインの小さな皮膚科クリニックです。こちらで手に負えない重傷の皮膚病の場合は、兵庫医大皮膚科に紹介となりますので、ご了承くださいますようお願い申し上げます。また、内科・小児科など皮膚科以外の先生にお願いですが、軽症の皮膚病は、いきなり兵庫医大皮膚科に紹介するのではなく、まずはお近くの皮膚科医院に紹介してくださいますよう、病診連携についてのご理解のほど、お願い申し上げます。兵庫医大近辺の皮膚科クリニックには、このブログで紹介している「えいご皮膚科武庫川院」や、エキシマ(光線)治療もできる武庫川女子大横の「羽田皮膚科」などがあります。余談ですが、羽田先生の手術を兵庫医大で受けることもできます。


兵庫医大皮膚科医局は、今後も患者さんがより便利・安心・快適になるようなアイデアを実現していく所存です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

2019年3月25日月曜日

(薬価が安い!) リウマトレックスが乾癬に保険適用になりました

先生方のおかげで、当院は乾癬患者さんの数が阪神間でトップの外来となっております。さて、注射のバイオ製剤は、乾癬の皮膚炎をほぼ消去できますが、高価なのが難点でした。そこで、昨年末、抗リウマチ剤「リウマトレックス®」が、「乾癬」の効能・効果および用法・用量追加の公知申請が通りまして、当院においても、処方できる体制になって参りました。

具体的には、注射のバイオ製剤が、おおむね3〜4万円/月も医療費がかかるのに対して、リウマトレックスは3割負担で薬代は1000円〜2000円/月にしかなりません。

したがって、乾癬の悪化に悩むものの、お薬代が高いという方に最適ということになります。1桁以上安いのです。もし、バイオ製剤を紹介したものの、高いために治療を諦めていた患者さんがおられましたら、一度ご紹介ください。

2019年2月19日火曜日

バイオ製剤を投与中に(風疹などの)生ワクチンを打ちたい場合はどうればいいのか?

いつも当院に患者さんをご紹介いただき、ありがとうございます。バイオ製剤を投与中に(風疹などの)生ワクチンを打ちたい場合はどうればいいのか?というお問い合わせを某先生からいただきましたので、皆様とシェアしたいと思います。

不活化ワクチンに分類される、インフルエンザワクチンは、バイオ製剤と基本的に関係なく、投与しても良いということに異論はないと思われます。

ところが、生ワクチンはどうでしょうか??
現在、抗体価の低い人に対して、風疹ワクチンの投与を政府が呼びかけています。品切れも多いようです。

問題点として、風疹ワクチンは生ワクチンですので、バイオ製剤を使用中は、投与できません。いったん中止する必要があります。

特に妊娠前の女性は、バイオ製剤投与前に(要するに妊娠前に)先に風疹ワクチンを投与しておくことが望ましいかもしれません。では現在投与中の場合はどうなのか・・・・乾癬のバイオ製剤は、投与後、どれだけ間隔を開ければ生ワクチンが投与できるのか?これは、結論から言うと、あまりエビデンスが無く、良くわからないと言うことになりますが、一斉に全社に問い合わせを行ったところ、バラバラの結果が返ってきたので掲載しようと思います。

Q: バイオ製剤投与後、どれだけ間隔を開ければ生ワクチンの投与が可能ですか?

要するに半減期を考えて間を開ける(投与中は必ず避ける)ということになっているようですが、どれも、強いEBMは、ありません。半減期が短いという意味では、ヒュミラやルミセフといった投与間隔の短い製剤のようが、生ワクチン投与まであまり待たなくても良いという意味で、むしろ有利である可能性がありそうです。なお、一般論的に、ACIP(米国CDCの予防接種諮問委員会)は、免疫抑制剤治療後3ヵ月間は生ワクチンの接種を控えることとなっているようです。


オテズラ 投与したままで良い(JAAD 90:1170-81,2024)
ソーティクツ 1日 (JAAD 90:1170-81,2024)
シクロスポリン 開けなくて良い(JAAD 90:1170-81,2024)
ステラーラ 15週間(ヨーロッパ添付文書による。日本では記載なし)
トレムフィア 12週間(ヨーロッパ添付文書による。日本では記載なし)
スキリージ 21週間(ヨーロッパ添付文書による。日本では記載なし)
トルツ 基準なし
ルミセフ 基準なし(血中濃度は1ヵ月で低レベルと予想できる)
コセンティクス 基準なし
ヒュミラ 6週間(European Evidence-based (S3) Guidelines)
レミケード 3〜6ヵ月 (Am J Gastroenterol 105:1231-1238, 2010)
デュピルマブ 3ヶ月 (治験実施計画書の記載による。これを設定した理由はMMWRのRecomendationで高容量ステロイドを2週以上投与した患者に生ワクチンを投与するとき、ステロイド中止後3ヶ月待てとあることによるらしい)


Q: 生ワクチン投与後、どれだけ待てばバイオ製剤が投与できますか?
これはどのバイオ製剤でも同じ答えになるはずが・・・そうでも無いようで、ばらばらの答えが返ってきました。なお、一般論的に、ACIP(米国CDCの予防接種諮問委員会)は、生ワクチン接種のタイミングについて免疫抑制剤治療導入の2週間以上前に生ワクチンを接種すべきとあります。

オテズラ 投与したまま (JAAD 90:1170-81,2024)
ソーティクツ 2-4週(JAAD 90:1170-81,2024)
シクロスポリン 2-4週(JAAD 90:1170-81,2024)
ステラーラ 2週間(ヨーロッパ添付文書による。日本では記載なし)
トレムフィア 2週間(ヨーロッパ添付文書による。日本では記載なし)
スキリージ 4週間(ヨーロッパ添付文書による。日本では記載なし)
トルツ 12週間(海外臨床治験における除外基準)
ルミセフ 4週間(海外臨床治験における除外基準)
コセンティクス 6週間(海外臨床治験における除外基準)
ヒュミラ 2〜3週間(European Evidence-based (S3) Guidelines)
レミケード 3〜4週間 (Am J Gastroenterol 105:1231-1238, 2010)
デュピルマブ 規定なし(メーカーの回答はMMWRのRecomendationで2週間になっているというものであった)

見事にばらばらになりましたが、基本的にはどれもこれも、エキスパートオピニオンであり、強いエビデンスはまだ無いのが現状のようです。なおグローバル化に伴い、添付文書PMDA審査報告書に記載の無い安全情報は入手するのが難しくなっている現状に伴い、上記の答えは担当MSL/MRによって違う答えが返ってくる可能性も高く、私の論文解釈と先生の論文解釈が違うかもしれませんし、またそもそも根拠が欧米の知見で本邦データではないものが多いため、諸先生方におかれましては各自で問い合わせ・ご判断のうえで対応していただけますよう、お願い申し上げます。

またJAK阻害剤も同様に生ワクチンの投与ができません。
例えばリンヴォックの治験でのPsAの除外基準では4週間以内の生ワクチン接種、アトピー性皮膚炎治験8週内にワクチン接種がないことが除外基準だったので、適応疾患によってエビデンスが異なるという、なかなか理解しがたい状態になっています。

なお日本の『乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス(2022年版)』では治療中は生ワクチン投与を行わないという記載だけがあります。

2024/05/24 updated




2019年2月1日金曜日

J Dermatol 誌の乾癬領域のSection Editorに就任しました

この度、今井が日本皮膚科学会英文誌であるThe Journal of Dermatology誌のセクション・エディター(乾癬・炎症性角化症領域など)を拝命致しました。この雑誌は、インパクトファクターが2.788と、日本が発行する臨床系医学誌ではトップクラスの国際誌です。セクション・エディターは教授の先生が多いなか、とても恐縮です。一応学会の代議員ですし、当院の豊富な乾癬の症例から学んだことを生かすべく、真摯に取り組んでいく所存です。

論文の査読(レビュー)に関しては年間20本くらい?(J Dermatolだけでなく、JDSやJID、JACIとか全部合計で)しており、投稿している論文数より査読している論文の方が圧倒的に多いわけですが(笑)、セクション・エディターをするのは今回が初めてです。良く分からないので、コツを教授の先生に色々教えてもらっているところです。

・・・それで、セクション・エディターの管理画面では、なんと、どの先生がJ Dermatol誌を何度査読したか表示されるのですが、ものすごく(私の3倍以上)沢山の査読されている先生も。さらに、そのような先生に査読を頼んでしまったにも関わらず、即日で査読OKの返事をいただき・・・頭が下がります・・・

2018年12月11日火曜日

アトピーのバイオ製剤は、乾癬のバイオ製剤とどう違うのか?

諸先生方のご紹介のおかげで、現在、乾癬のバイオ製剤の患者様の数は阪神間で当院がトップクラスとなっております。さて、さらにアトピー性皮膚炎でも、バイオ製剤であるデュピクセント希望で当院に多数のアトピー性皮膚炎の患者さんをご紹介いただき、ありがとうございます。こちらの処方数も月によっては全国大学病院でも多い方になるくらいの症例数となっており、医師だけで無く看護師も含めてスタッフ全員、かなりバイオ製剤になれてきたと思います。

さて、本日はお願いがございます。
ご紹介いただいたアトピー性皮膚炎の患者さんは、引き続き貴院に通院いただき、徹底した外用指導をお願い申し上げます。

 実は、この点が勘違いされている患者様が多く・・・・たしかに乾癬のバイオ製剤は、どの製剤も効果が十分に高いので、外用剤なしでも乾癬が綺麗になってしまいます。したがって、外用するのが苦手な患者さんにも乾癬のバイオ製剤が向いているということも出来ます。

 一方、アトピー性皮膚炎のバイオ製剤(デュピルマブ、抗IL-4/13受容体抗体)は、ステロイド剤と併用して初めて効果があります。具体的に治験データを見るとデュピクセント単剤だけでは、あまりアトピー性皮膚炎は治りません。そして、ステロイド剤をバッチリ16週間外用するとアトピー性皮膚炎スコア(EASI)は49%減少します。外用で皮膚炎は半分くらいになるということです。ここで、デュピルマブと併用するとスコアが80%減少していると報告されてます。これは今までに無かった画期的なデータが治験結果として報告されているようです。これは、単純化して例えると、デュピルマブは、ステロイド剤が二倍効くアイテムと言うことができると思います。なので、ドラクエの話で盛り上がった患者さんに、デュピクセントはドラクエで言うとバイキルトの呪文のようなものです、ステロイドの攻撃力が倍になります、ラスボスであるアトピーを倒せる可能性が高くなります、と説明していたら、隣の医師にドン引きされました(笑)。

しっかり皮膚炎を抑えて寛解状態にすることが、アトピー性皮膚炎では大切と考えられています。いったん寛解すると再発しにくい患者さんも経験します。注射すれば外用しなくて良くなるのではないかと期待される患者さんが多いのもわかるのですが・・・乾癬のバイオ製剤(注射)は外用しなくてもいいかもしれませんが、アトピー性皮膚炎の注射は、外用ステロイドと併用するのが大切になります。そして皮膚炎がほとんど無い状態が達成できれば、その状態が長期間維持できるかもしれません。

2018年11月27日火曜日

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2018が一般公開されました

アトピー性皮膚炎診療ガイドラインは、誰でも読める一般公開されたガイドラインです。皮膚科医だけでなく小児科医なども含めてアレルギーに関わる有名な先生数名による共同執筆になっています。

https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/atopic_GL2018.pdf

ただし、内容は今年度版からより専門的・臨床的になり、アレルギー学会専門医ではあるが皮膚科ではない先生には、かなり難しい内容になったと思います。さらに、私たちのグループが研究しているIL-33や2型自然リンパ球のアトピー性皮膚炎への関与がガイドラインで紹介されている点も、私たちにとっては感慨深いものがあります。どこが違うか?というと旧アレルギー学会のガイドラインでは皮膚炎面積が広い患者さんには強いステロイド剤を使いましょうとなっていましたが、この最新のガイドラインでは(今回から皮膚科学会とアレルギー学会のガイドラインが統合されたこともあり)、皮膚炎の種類が紅斑なのか、苔癬化なのか、その種類でステロイド外用剤の強さを変えましょう、となったので、皮膚炎の種類の診断が必須という点が古いガイドラインとの違いになっています。なお、最新の治療であるデュピクセントはガイドライン改訂に間に合わず、まだ盛り込まれていない状態です。

いずれにせよ、ガイドラインが一般公開されているのは大変意義があることだと思います。

2018年11月7日水曜日

岸本 暢将先生(聖路加国際病院)のハンズオンセミナーを行いました(ただしClosed)

このたび、岸本 暢将先生(聖路加国際病院)を講師にお招きして、乾癬性関節炎のハンズオンセミナーを(Closedで)開催してきました。講師はおそらく日本で一番有名な先生なのですが(今井は岸本先生の膠原病DVDを持ってます)なにせ座長が(なぜか)今井で、参加者は若手医師限定という、クローズドな会でしたので、著名な先生を講師にお呼びしているのに誰も来てくれないのではないかと危惧しておりましたが(!)、祝日の昼間にもかかわらず、大阪府・兵庫県のから多数の若手医師にご参加頂き、ありがとうございました。参加者からは、ガイドラインに書かれていないグレーゾーンな内容の質問も出てきており、(岸本先生のご回答は日本のガイドラインに無いけどアメリカのガイドラインには記載有り、ということでした)、気軽に質問できるハンズオンセミナーという目的が達成できました。乾癬性関節炎は皮膚科医にとって珍しいですが見逃してはいけない疾患であり、我々も意識をして勉強していこうと考えています。