今井です。私事ですが、思いっきり歯の治療、失敗されちゃったみたいで、かえって余計に痛くなりました。まったく、ヤブ歯医者め!成功率80%ですって言っていたのにウソだったのか!?
・・・と文句を言っておいて、じゃあ、自分のしている皮膚科診療ではどうなのでしょうか?
私が担当させていただいた乾癬患者さんのバイオ製剤の効き具合を、カルテ全員分集計して計算してみたのですが、例えば最近のバイオ製剤は、簡単言うと75~80%の患者さんで乾癬の皮疹がほとんど無くなるとの報告です(専門用語で言うPASI75、皮疹がほとんど気にならない状態になります)。これは、私が医者になったころのことを考えると驚異的に効く治療の登場で、まさに「画期的な最新の乾癬治療」なのですが、でも、実は・・・・80%の方に効くということは、そう、20%くらいの患者さんは、バイオ製剤の効きが悪いのです。しかも、現状では治療してみないと効くかどうか不明なので、事前の検査では薬が効くかどうかは分からないのです。これは最も優れたアメリカの皮膚科に行っても同じで、バイオ製剤が効くか事前に知る検査は開発されていないのです(現在私も研究中です)。いや、皮膚科なのにすごく採血されたんですけど!!という患者さん、すみません、あれはバイオ製剤の副作用が出やすい体質かどうか調べている検査なので、効くかどうか調べる検査じゃないんですよ・・・
・・・・ということで、確率的に約20%の患者さんには私も「ヤブ医者め!」って思われてることになりますね。。。しかし、現状では効かない方がいらっしゃるのは事実です。1剤目が効かなかった患者さんには、また別の(2種類目の)バイオ製剤を使うことになります。現在保険が効くバイオ製剤は4種類もありますので、一応最後には何とかなるはずですが(ブログを書いている今のところは何とかなっている)、やはり、診察には時間をかけて、治療のメリット・デメリット(100%効くわけではない)を、しっかりお話していかないといけないなと思いました。ただ、乾癬に関しては日本でもアメリカと同一水準の治療レベルがアメリカより安価に提供できる(新薬が保険適応になった)ということは、乾癬患者さんはぜひ知っていただきたいと思います。
・・・あ、でも、やっぱり歯医者は変えようかな・・・