今日は乾癬ではなく、アトピー性皮膚炎のお話です。
兵庫医大皮膚科では、アトピー性皮膚炎も診察しております。乾癬は関西一円から患者さんがいらっしゃいますが、アトピーは西宮や尼崎の患者さんが多いです。
最近は、重症のアトピーの方が少なくなってまいりました。電車に乗っていても、ぱっと見でお顔が重症なアトピーだとわかる方が10年前に比べて格段に少なくなったと実感している方もいらっしゃると思います。この理由は、
標準的な治療法の進歩と普及
のおかげだと思います。
さすがに10年前と違って「ステロイドは怖いから塗らないように」と指導されている患者さんは皆無になってきましたが、どうしてもアトピーが良くならない、ステロイドを塗っても効かない!という患者さんはよく受診されます。しかし、これもガイドラインに沿った治療が行われていないというケースがほとんどで、単にステロイドの塗り方が間違っているだけのことが多いです。標準治療をするだけで皮膚炎が良くなるというパターンとなりますので、もし喘息などがあるために皮膚科以外の先生に「ついでに」アトピー性皮膚炎も診てもらっているという場合は、一度、お近くの皮膚科の先生を受診されることをお勧めします。
なお、まれにアトピーという診断が間違っている場合もあり、皮膚リンパ腫という一見するとアトピーに見える悪性腫瘍であることもありますので、特に皮膚科の先生でないお医者さんにアトピーを診察してもらっているのに数年たっても治らない方は、一度、お近くの皮膚科医の診察を受けることをお勧めします。10年以上かけて進行する悪性腫瘍ですので注意が必要となります。