最近妙に、アトピー性皮膚炎の不適切治療が復活してきていると感じており、とても残念です。アトピー性皮膚炎はガイドラインや治療手段が確立された疾患であり、ここ最近5年はガイドラインによる標準的な治療もすっかり浸透し、本当にひどいアトピー性皮膚炎が激減したなと感じていたはずなのですが・・・そうでもなかったようで。正確に言うと、大手検索サイトのトップページの記事をはじめ、不適切なアトピー性皮膚炎の情報が今年からインターネット上に激増していると思います。ネット上で不適切な情報を増やすことで、わざと適切な情報を覆い隠すイメージでしょうか・・・せっかくの標準治療から患者さんをわざと不安にさせて引き剥がそうという記事が氾濫していると感じます。つまり、もはやアトピー性皮膚炎の患者さんはネットは見ない方がいい?くらいの状態になっている気がします。また、アトピー性皮膚炎の患者さんは、患者さんと患者さんで(SNSなどで)話をすると、なぜか間違った方向性に行ってしまう、またはそのようなアトピー系SNSに悪徳業者が紛れていることがあるようです。
では正しい情報はネットのどこにあるかというと、例えば、アトピー性皮膚炎の診療ガイドラインはネットで誰でも読めます(こちら)(ただし近日アップデートされる予定です)。これを読んでいただければ、概ね、どのような情報が無茶苦茶なのかは一目瞭然となりますので、患者さんの持ってくる不適切な話に振り回されないですむと思います。確かに、医療には必ず例外があって、保険適用外の治療がどうしても必要になることや、アトピー性皮膚炎以外の内科疾患のある患者さんの場合には使いたい薬が使えないこともあるなど、必ずしも全例がガイドラインで提唱されている治療ができるわけでもありませんが、最近時々内科の先生から連絡を頂くので、、、、ついでに皮膚科も診察されている内科・外科の先生方におかれましては、ぜひ皮膚科のアトピー性皮膚炎のガイドラインを、ご一読いただければ幸いです。